眠りに特化した狭い空間にテレビや照明など便利な機能をぎゅっと詰め込んだ「カプセルホテル」。
実は日本独自の眠りの文化だと知っていますか?
以前は雑然としたイメージを持たれがちな場所でしたが、最近では驚きの進化を遂げて幅広い客層に愛されているんです。
今回は知られざるカプセルホテルの世界をご紹介します。
誕生のヒントは大阪万博
カプセルホテルが誕生したのは、1979年の大阪でした。
安くて快適な宿泊施設は作れないかと考えたサウナの経営者が、大阪万博で見かけた未来の住宅をイメージした展示をヒントにカプセルホテルをスタートさせたのです。
キャッチフレーズは「2100年のビジネスホテル」。
斬新な発想とわずか1,600円で泊まれるという価格は好評を博し、カプセルホテルは全国に広まりました。
従来のイメージを覆す施設が登場
かつてのカプセルホテルのイメージといえば「味気ない」「節約目的」といったものでしょう。
しかし最近はこれらのイメージを覆す施設が続々と登場しています。
例えば、空間の狭さを逆手に取って「飛行機のファーストクラス」に見立てるというコンセプトを打ち出した施設や、木目をいかした温かみのあるデザインの施設。
また、ジムやバーを備えた施設まで。
画一的なビジネスホテルを利用するより目新しく、しかも費用も安いということで、若い世代を中心に人気を集めています。
大充実の女性向けカプセルホテル
以前のカプセルホテルは男性専用がほとんどでしたが、女性向けフロアや女性専用の施設が増えてきました。
都内には、露天風呂で汗を流し、エステやあかすりのサービスも受けられるという施設も。
有名メーカーのアメニティや美顔器、アロマディフューザーまで用意されているという、至れり尽くせりな空間です。
飲み会などで終電を逃し、タクシーは高すぎて使えないという女性などに喜ばれています。
外国人観光客にも人気
狭い就寝スペースしかなくても知恵を絞って快適空間に変えてしまうのは、日本の得意技といえるでしょう。
カプセルホテルは今や世界から注目を集め、外国人観光客の旅の目的地の一つとなっています。
横浜には外国人向けに武士や忍者をモチーフにした施設が登場。
床は畳、カプセルの入り口には家紋ののれんをかけるなど、個性的な空間を作り出しています。
快適に眠る方法
カプセルホテルで快適に眠るには、ちょっとしたコツが必要です。
まず、カプセルの入り口には鍵がかからないので、眠ろうとしても他の宿泊者のいびきやロッカーの開閉音が気になることがあります。
音に敏感な方は耳栓を持参するのがいいでしょう。
カプセルの下段は床を伝わる振動や音が眠りを妨げるので、上段を選ぶほうがオススメです。
また、カプセル内は乾燥しやすいので、濡れタオルを干しておけば睡眠中の呼吸が楽になりますよ。
お気に入りの枕があれば、快適!
カプセルホテルでも、お気に入りの枕さえあればかなり快適に過ごせます。顔に当たる部分は、馴染みのあるマイ枕を使うことで、安心感も得られますね。
また、自分にあったフィットする枕を使うことで、疲れも軽減できるものです。
中には、NASAが宇宙飛行士のために開発した素材、テンピュールで作られた枕などを提供しているカプセルホテルも!
お客様がより心地よく眠れるように、工夫をこらして寝具にこだわっているのが、分かります。
簡易的な寝床から滞在を楽しむ場所へと変貌を遂げたカプセルホテル。
あなたも泊まってみたくなったのでは?
自分だけの秘密基地のようなワクワク感に、ついつい夜更かししたくなっちゃうかもしれませんね。