もし、完全に眠らなかったらどうなるの?断眠実験から分かったこととは?

試験前の一夜漬けや仕事の納期に追われて徹夜してしまった!
という人は少なくないでしょう。
では、もし睡眠不足程度ではなく、完全に眠らなかったら、いったいどうなるのでしょうか?

眠りを断つとどうなる?米国のラット断眠実験の結果は?

眠らないとどうなるのか?という疑問は昔からあったようで、動物を使っての断眠実験は昔から繰り返し行われてきました。1980年代、米国シカゴ大学のレヒトシャッヘンは、ラットをつかって断眠実験を行い、その結果が記録されています。ラットは1週間眠らないくらいでは大きな変化はなかったそうですが、2週間すると毛が抜け始め、潰瘍もみられるようになりました。体温が下がってきて、寒いのかゲージの隅っこで動かなくなり、体重も減少していきました。睡眠をとらないことで、体温や体重を維持することは難しくなるのは、睡眠不足が脳の視床下部に影響を与えているからと考えられます。というのも、体温や体重の恒常性の維持や体温のコントロールは、脳の視床下部がつかさどっているからです。睡眠を断ったことで、ラットの身体機能は回復することができず、断眠実験をスタートして約1か月後、疲労から感染症を起こし、全て死んでしまいました。

フランスの犬を使った断眠実験

100年以上前のフランスで行われた古典断眠実験の結果も残されています。10匹以上の犬を断眠させ、その経過を記録するといったものですが、結論からいうと、犬は5日程度ですべて死んでしまいました。解剖してみると、筋肉などには何ら変化はなかったものの、損傷していたのは脳だとわかりました。脳の中には脳神経細胞が多数存在しますが、この実験では特に大脳の神経細胞の損傷が激しかったといいます。このことから、睡眠が不足すると、身体を動かすための機能よりも、起きていても眠っていても、絶えず働いている脳のダメージが大きいことがわかります。ラットの場合もそうですが、体温や体重の調節などもやはり脳で行っている機能です。つまり、睡眠は脳と非常に大きなかかわりがあることがわかります。

睡眠を断つと免疫機能に影響がある!?

ラットの実験で分かったことは、ラットの死因が感染症だったことから、睡眠が免疫力にも影響があるということです。生物の体内には常在菌といって常に住み着いている細菌います。人間も動物も通常は免疫力をもっていますから、こうした菌が
日常で悪さをすることはありません。しかし、断眠したことで免疫がなくなり、結果、常在菌によって血液内で病原菌が増殖する敗血症を起こし、死んでしまったのだと考えられるのです。このことから、やはり睡眠は絶対に必要なものだとわかります。

眠れば、再び回復する不思議

眠らなかったことで大変な症状になったラットであっても、もし、実験の途中で眠らせてあげていたら、また元気を回復した可能性はあります。
睡眠自体が身体の機能を修復したり、免疫力をあげたりする力があるからです。
驚くことに小さなラットであっても、1週間程度では大きな変化が見られませんでした。人間も3日程度徹夜してふらふらになったとしても、布団に倒れこんで丸1日寝だめすると、意外と元気を復活するものです。脳も体も多少の睡眠不足には耐えられる柔軟性があることがわかります。

まとめ

これらの断眠実験から、睡眠不足は決していいことはいえないでしょう。人間の場合は、どうしても眠くなると眠ってしまいますから、動物の断眠実験のような結末までは至りませんが、ご自身の大切な脳のためにも睡眠はしっかりとりましょう。

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