睡眠中に記憶は定着する!記憶力アップに最適な睡眠時間とは

睡眠時間

十分な睡眠をとることは記憶力を高めると言われています。これは、睡眠中に脳で記憶の整理や定着が行われているためです。今回は、睡眠と記憶の密接な関係や記憶力がアップする睡眠のとり方についてみていきましょう。

眠っている時に記憶が定着する

受験や資格試験の前には、睡眠時間を削って勉強をする人もいるでしょう。しかし、これはあまり効率の良い勉強方法ではありません。

睡眠には、体を休めると共に脳を休ませる役割もあるため、長時間、眠らずに脳を働かせていると疲れて勉強がはかどらなくなってしまいます。また、睡眠中には、脳で記憶の整理や定着が行われています。そのため、徹夜で勉強をすると、せっかく覚えたことが記憶として定着しないのです。

記憶の定着はレム睡眠中に行われる

睡眠中は、ノンレム睡眠とレム睡眠がセットになって繰り返されています。ノンレム睡眠は脳を休める睡眠で、レム睡眠は体を休める睡眠です。レム睡眠の間、体は休息していますが脳は覚醒状態にあるのです。

人はレム睡眠中に夢を見ますが、眠っている最中にも快不快や不安、恐怖などを感じることがあります。これは、記憶を司る器官である海馬の隣の偏桃体がさまざまな記憶に感情の重みづけをしているためです。このときに重要だと判断された記憶は、次に海馬によって整理され保管されます。夢は、辻褄の合わない断片的な内容が多いですが、これは日中に入ってきたさまざまな情報を脳内で整理している途中だからなのです。海馬に蓄えられた記憶は、さらに2年程経つと側頭葉に長期記憶として保存されます。

記憶の定着には6時間以上の睡眠が必要

ノンレム睡眠とレム睡眠はワンセットで90分間と言われています。
睡眠の前半のレム睡眠は、数十秒間と大変短く、後半の明け方近くになると20分ほどまで長くなっていきます。
34時間の短時間睡眠では、後半の長いレム睡眠をとることができないため、記憶の整理や定着が行われません。反対に、睡眠時間が長いとレム睡眠もそれだけ長くなり、情報の整理や記憶の定着をしっかり行うことができるのです。

人間は、起きている間、常に情報を頭の中に送り込んでいます。この状態が続くと、情報が入りっぱなしで整理する時間がありません。さまざまな情報を整理して定着させるためには、情報を遮断する時間が必要であり、それが睡眠時間なのです。睡眠の後半の長いレム睡眠中に情報を整理して記憶として定着させるためには、最低でも6時間以上の睡眠時間が必要だと考えられています。
ただし、23時間寝て、一度起きてまた23時間眠るというような分断された睡眠では記憶が定着するのは困難です。連続した睡眠を6時間以上とるようにしましょう。

徹夜で勉強に励むよりも、しっかり睡眠をとった方が脳を休ませることができ、整理された記憶が定着します。短時間集中して勉強するなど効率のよい方法を心がけてくださいね。
睡眠中は、昼間に入ってきた情報を整理して記憶として定着させるための大切な時間です。定着した記憶を上手に活用するためにも6時間以上の睡眠をしっかりとるように心がけるといいですね。

もちろん、睡眠時間の確保は記憶だけのためではありません。健康や成長、美容、自律神経の安定などにも睡眠は大きくかかわってきます。今の忙しい時代に十分な睡眠時間をとることは難しいかもしれませんが、それでも今一度、睡眠時間について見なおしてみることが大切です。

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